皆様こんにちは。兵庫県神戸市東灘区の眼科、松原眼科クリニックです。当院ではICL手術を始め、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術、網膜硝子体手術など、眼科日帰り手術に力を入れています。

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは、目の中に埋め込む小さな眼内レンズのことです。ICLを埋め込んで視力を矯正する視力矯正手術を、ICL手術といいます。

ICLでは強度の近視や遠視、乱視も矯正でき、目の中に埋め込むため通常のコンタクトレンズのような毎日のお手入れは必要なく、日常生活で外れてしまうこともありません。

また、レーシック手術とは異なり、角膜を傷つけることなく手術が行えることも大きな特徴です。

この記事では、ICLにはどのような特徴があるのか、レーシックとの違い、メリット・デメリットや費用などについて詳しく解説します。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術とは

ICL(Implantable Contact Lens / Implantable Collamer Lens)とは、アメリカのSTAAR Surgical(スターサージカル)社によって開発された、眼内コンタクトレンズです。

「フェイキックIOL(Phakic IOL)」や「有水晶体後房レンズ」、「有水晶体眼内レンズ」と呼ばれることもあります。また、老眼に対応した多焦点タイプの「IPCL」もICLと同じく眼内コンタクトレンズの一つです。

ICLを使った手術を「ICL手術」といい、水晶体を残したまま、眼内の虹彩の後ろに眼内レンズを挿入し、視力矯正を矯正します。(ICL手術のことを単に「ICL」と呼ぶこともあります)

目の中にレンズを埋め込むため通常のコンタクトレンズのように着脱の手間がなく、一度入れたレンズは原則としてメンテナンス不要です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の特徴

ここからは、ICL(眼内コンタクトレンズ)の特徴について解説します。

厚生労働省認可・症例実績100万以上の手術

ICLは「Collamer®(コラマー)」と呼ばれる生体適合性の高い特殊素材で作られており、これまでに世界75カ国以上で承認され、全世界で100万件以上という豊富な実績があります。(2019年時点)

初期のICLには術後に白内障や緑内障といった合併症のリスクがありましたが、Hole ICL KS-AquaPORT(レンズ中央に極小の穴を開けることで房水循環を改善)が考案・開発されてから合併症のリスクが低下し、手術を受ける人が世界中で急速に増加しました。

ICLは1997年にはヨーロッパCEマークを取得。2001年にカナダ、2002年に韓国、2005年にはアメリカFDAの承認を受け、日本でも2010年2月に厚生労働省の承認を受けました。

ICL認定医資格を持った眼科医のみが手術可能

ICL手術は、眼科医であれば誰でも手術できるわけではありません。

日本眼科学会の専門医であることに加えて、ICL認定医制度に基づき認定医資格(ライセンス)を付与された眼科医のみが、ICL手術を行うことができます。

角膜を削らずに視力矯正ができ適応範囲が広い

ICLはレーシックとは異なり、角膜を削らず、小さな切開創から眼内レンズを挿入して治療します。

適応範囲が広く「強度の乱視・近視」「レーシック治療は難しいといわれた」「強度の近視や乱視がある」という方でも、手術を受けられることがあります。

また、眼内レンズには多焦点レンズもあり、老眼治療も可能です。

ICL手術後の近視の戻りが少ない

レーシックの場合、症状が強い方の場合は少し視力が戻ることがあります。

一方、ICLによる視力矯正は術後の視力が長期的に安定していることが大きな特徴です。そのため、多くの方が長期間にわたって視力を維持する効果を期待できます。

ICL手術とレーシックの違いの比較

ここでは、ICLとレーシックの違いを比較した表を見てみましょう。

ICLレーシック
手術方法角膜を削らずに数ミリ切開し、眼内レンズを挿入する手術角膜をエキシマレーザーで削り、角膜の形状を変えることで視力を回復させる手術
手術適応
  • 軽度近視〜強度近視
  • 角膜が薄い人でも手術可能
  • 軽度近視〜中等度近視
  • 十分な角膜厚がない場合は手術できない
手術難易度度数による手術の難易度に差がない近視度数が強いと角膜を多く削る必要があり、手術難易度が高くなる
手術後元に戻せるか(可逆性)眼内レンズを取り出せば元に戻せる角膜を削るため元に戻せない
手術後の視力の戻り非常に少なく長期的に安定強い近視・乱視の場合、術後数年で視力が少し戻る傾向がある
見え方の質角膜を削らず、収差が増えないため見え方がクリアで鮮やか角膜を削り収差が増えると若干のぼやけや歪み、色づきが起こることがある
手術費用相場(いずれも自由診療)40〜60万円前後(両眼)60~66万円(両眼)

費用面ではレーシックの方が負担を抑えられるものの、術後の安定性や見え方の質、元に戻せるかといった点では、ICLの方が優れていると考えられます。

ただし、目の状態によってはレーシックが適している場合もあります。例えば軽度の近視の場合は、レーシックの方が目の負担を抑えられるケースもあります。

ICLとレーシックはどちらもすでに確立された治療法であり、安全性も高水準であるため、自分に合った治療を選ぶことが大切です。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術のメリット

ここでは、ICLのメリットをご紹介します。

半永久的に使用でき着脱や手入れの必要がない

ICLに入れるレンズは半永久的に使用可能であるため、一度埋め込めば裸眼のような快適さで過ごすことが可能です。

コンタクトレンズのように日常生活で外れたり、異物感もなく、着脱やお手入れの必要もありません。

見え方がクリア・鮮やか

ICLは角膜を削らずにレンズによって近視や乱視を矯正するため、見え方を左右する「収差」が増加しません。そのためクリアで鮮やかに見えるなど、見え方の質が高いこともメリットです。

約30分と短時間で痛みの少ない日帰り手術

ICL手術では点眼麻酔などを使用するため、手術中に痛みを感じることはほぼありません。手術時間も約20〜30分と短時間で日帰り手術ができます。

万が一の場合は元に戻すことができる

ICL手術では角膜を削らないため、手術の結果が不満だった場合や、加齢などによって将来的に白内障を発症してしまった場合、眼内レンズを取り出して再度手術を行うことができます。

レーシック手術の場合、一度削った角膜を元に戻すことはできないため、この点はICL手術の大きなメリットといえるでしょう。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術のデメリット

続いては、ICLのデメリットをご紹介します。

レーシックよりも費用が高くなる

ICLもレーシックも、健康保険適用外となる自由診療の手術です。

レーシックは20〜45万円前後、ICLの場合は40〜60万円前後が費用相場(いずれも両眼の価格)となり、ICLの方が高額になります。

しかし、ICLは視力が長期的に安定しやすく、一度挿入すれば半永久的に使い続けることが可能です。毎月のコンタクトレンズ代やメガネを作る費用などを考えれば、長い目で見ると経済的な治療ともいえるでしょう。

手術までに時間がかかることがある

ICLには、近視や乱視など目の状態に対応した幅広いレンズバリエーションがあります。手術に使用するレンズの在庫がない場合、発注したレンズが届くのを待つ必要があります。

レンズの度数によっては1〜3ヶ月ほどかかることもあるため、手術を検討している場合は、この点も踏まえて早めに事前検査を受けるのがおすすめです。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術のリスクや副作用

ICLは角膜を削らないため、ドライアイなど術後リスクを抑えられる手術ですが、リスクがゼロになるわけではありません。前もってリスクについて理解しておき、信頼できる医師のもとで安全な治療を受けられるようにしましょう。

ハロー・グレア・光の輪

ICL手術後、「ハロー」「グレア」「光の輪」などと呼ばれる、光を見たときに滲みやぼやけが起き、見えづらくなる現象が起こることがあります。

これらの症状は術後1ヶ月ほどで症状が落ち着き、気にならなくなることがほとんどですが、個人差も大きいため長距離の運転や夜間の運転をする場合は医師と相談しましょう。

感染症・合併症・副作用

ごくまれではあるものの、ICL手術には下記のような感染症のリスクや、合併症や副作用が起こることがあります。

  • 結膜炎
  • 眼内炎
  • 重篤な眼炎症
  • 虹彩炎
  • 急性角膜浮腫
  • 持続性角膜浮腫
  • 前房出血
  • 前房蓄膿
  • レンズ偏位
  • 黄斑浮腫
  • 瞳孔異常
  • 瞳孔ブロック緑内障
  • 硝子体脱出 など

感染症予防のためには、手術を受ける患者さん自身の管理も大切です。医師から指導される日常生活の注意事項を守り、処方薬は確実に飲み、定期的な検診を受けて、安全な治療につなげましょう。

まれに追加治療が必要な場合がある

まれではあるものの、ICL手術後に「レンズのサイズが合わない」「度数が合わなくて見えにくい」といったことが起こることがあります。このような場合はレンズの入れ替えのため、追加治療が必要となるケースがあります。

術前に入念な精密検査を行った上でレンズの度数・サイズを決めることで、このような失敗のリスクを避けることが重要です。

失明の危険性はほぼない

他の手術と同様、ICLも手術である以上リスクがまったくないと言い切ることはできないものの、ICL手術による失明の危険性はほぼありません。

ただし、目という非常にデリケートな器官の手術であるため、合併症などのリスクも考えられます。確かな技術を持った信頼できる医師による手術を受けることが大切です。また、このような場合に備えてアフターケアが充実したところを選ぶと安心でしょう。

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術の流れ

ICL手術の大まかな流れは、以下のようになります。

  1. 検査予約
  2. 事前検査
  3. 診察
  4. 手術日の決定
  5. 術前点眼
  6. ICL手術
  7. 術後検査
  8. 定期検診

ICL手術自体は約20〜30分ほどで終了するものの、安全や視力の安定性のためにも、事前検査や術後の検診が非常に重要です。

事前検査では、他覚的屈折検査・自覚的屈折検査・眼圧検査・角膜形状解析・角膜内皮細胞検査・前眼部画像解析・眼軸長測定・サイプレジン検査といったさまざまな検査を行い、ICLが適応になるかどうかを調べます。

【関連記事】

ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術前検査について

まとめ

ICL手術は、目の中に眼内コンタクトレンズを埋め込むことで、角膜を削ることなく視力矯正ができる手術です。日本の厚生労働省の認可も受けており、術後の視力低下やドライアイなどのリスクが少なく、長期的な視力の安定が期待できます。

兵庫県神戸市の松原眼科クリニックでは、ICLをはじめとして白内障、緑内障、網膜硝子体などの日帰り手術を行っています。

当院では、手術はすべて日本眼科学会認定・眼科専門医でありICL認定医資格を持った松原 令院長が執刀し、安全面や合併症軽減、感染予防に十分配慮した上で手術を行っています。JR神戸線住吉駅南出口から直結でアクセスできるため、雨の日も濡れずに来院可能です。

ご相談や疑問についても親身に対応いたしますので、まずはぜひ一度お気軽にご相談ください。

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