最近話題のACジャパンの「アイフレイルCM」を見たことがありますか? キャッチーなメロディーと親しみやすいカエルのキャラクターが印象的ですが、これは決して他人事ではありません。 最近目が疲れやすい」「夕方になると物が見えにくい」と感じたら、それは「アイフレイル」のサインかもしれません。 人生100年時代、体の健康だけでなく、目の健康寿命にも意識を向けてみませんか?
「アイフレイル」とは?
近年、高齢者の健康に関する概念として「フレイル」が注目されています。「フレイル」は、加齢に伴い心身が虚弱化し、要介護状態になるリスクが高くなった状態を指します。そして、この「フレイル」の中でも、視覚機能の低下に焦点を当てたものが「アイフレイル」です。
「アイフレイル」は、視力低下や視野狭窄など、さまざまな目のトラブルを引き起こし、私たちの生活の質を低下させるだけでなく、転倒・骨折のリスクを高め、それが原因で要介護状態に進行してしまう可能性も孕んでいます。つまり、「アイフレイル」は「フレイル」全体の一部分を構成し、互いに密接に関連していると言えるでしょう。
アイフレイルは 目のサインだよ🎵
疲れ目 しょぼしょぼ 夕方見づらい
気になる症状 チェック チェック チェック🎶
アイフレイルは 病気の手前かも!?
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「アイフレイル」の原因
主に加齢によるものです。歳を重ねるにつれて、網膜や視神経の働きが衰え、視力や視野の予備力が低下していきます。また、加齢に加えて、喫煙、生活習慣、紫外線、食生活といった外的要因、強度の近視、遺伝的要因、高血圧や糖尿病などの持病の有無といった内的要因も、「アイフレイル」の原因として挙げられます。
- 加齢による眼球機能の低下:誰にでも起こる老化現象ですが、個人差が大きいのも事実です。
- 喫煙、紫外線、食生活などの外的要因:喫煙は白内障などのリスクを高めることが知られています。また、紫外線は白内障や加齢黄斑変性などのリスクを高める可能性があります。食生活の乱れも、目の健康に悪影響を与える可能性があります。
- 強近視、遺伝、持病などの内的要因:強度の近視の人は、そうでない人に比べて網膜剥離などのリスクが高いと言われています。また、家族に緑内障の人がいる場合は、遺伝的に緑内障になりやすい可能性があります。糖尿病などの持病がある場合も、合併症として目の病気を発症するリスクが高まります。
これらの要因によって、白内障や緑内障といった眼の病気を発症しやすくなったり、その予備軍となったりする可能性が高まります。
「アイフレイル」の症状
アイフレイル」は、加齢による目の機能低下を指し、様々な症状が現れます。初期段階では自覚症状が現れにくい場合もありますが、以下のような症状が見られることがあります。
- 目が疲れやすくなった
- 夕方になると見にくくなる
- 新聞や本を長時間見ることが少なくなった
- 食事の時にテーブルを汚すことがある
- 眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった
- まぶしく感じやすくなった
- はっきり見えない時にまばたきをすることが増えた
- まっすぐの線が波打って見えることがある
- 段差や階段が危ないと感じたことがある
- 信号や道路標識を見落としそうになったことがある
これらの症状は、老眼やドライアイだけでなく、白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの病気が進行しているサインである可能性もあります。
「歳のせいだから」「疲れ目かな」と安易に考えず、少しでも異変を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
「アイフレイル」による影響
アイフレイルを放置すると、視機能のさらなる低下を招き、日常生活に支障をきたす可能性があります。視力の低下は、物が見えにくくなるだけでなく、日常の活動において不便を感じることが増え、生活の質を著しく低下させます。
- 視力低下による生活の質(QOL)の低下:見えづらさから外出を控えたり、趣味を楽しめなくなったりするなど、生活の質が低下する可能性があります。
- 転倒・骨折のリスク増加:視力低下により、段差や障害物に気づきにくくなり、転倒・骨折のリスクが高まります。高齢者の場合、骨折から寝たきりになるリスクも高いため、注意が必要です。
- 認知機能低下との関連性:視覚からの情報が減ることで脳への刺激が減り、認知機能の低下につながる可能性も指摘されています。
あなたの目は大丈夫?「アイフレイル」セルフチェック
「アイフレイルCM」でも呼びかけているように、早期発見・早期治療のためにも、まずは日本眼科啓発会議が推奨する10項目のセルフチェックをしてみましょう。
- チェックが0の方
- あなたの目は今のところ健康です。変化を感じたら、またチェックしてください。
- チェックが1つの方
- 目の健康に懸念はありますが、直ちに問題があるわけではありません。
- チェックが2つ以上方
- アイフレイルかも知れません。一度、眼科専門医にご相談ください。
目の点検ツール
自分でできる6つのセルフチェックツールは、アイフレイル公式サイトで確認できます。
https://www.eye-frail.jp/checklist/tenken/
アイフレイル啓発公式サイト:https://www.eye-frail.jp/checklist/
「アイフレイル」のサインを見逃さないために
アイフレイル」は初期段階では自覚症状が出にくいという特徴があり、気づかないうちに進行しているケースも多いです。重度の視機能障害に陥ると、治療をしても視機能の回復が難しいケースや、回復に時間がかかってしまうケースがあります。
40歳を過ぎたら、年に一度は眼科検診を受けましょう。
視力検査だけでなく、眼圧検査や眼底検査も重要です。
- ■眼圧検査:緑内障の早期発見に役立ちます。
- ■眼底検査:緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性など、様々な目の病気を発見することができます。
市販の目薬で一時的に症状が改善したとしても、自己判断で放置せず、専門医に相談することが大切です。
「アイフレイル」は、白内障、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの病気と深く関係しています。
- 白内障:水晶体が濁ることで視力が低下する病気。主な症状は、かすみ目、まぶしさ、視力の低下など。
- 緑内障:視神経が障害されることで視野が狭くなっていく病気。初期は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行していることが多い。
- 加齢黄斑変性:網膜の中心部にある黄斑に異常が起こることで、視力が低下する病気。主な症状は、物がゆがんで見える、視野の中心が暗くなるなど。
- 糖尿病網膜症:糖尿病の合併症として起こる目の病気。網膜の血管が詰まったり破れたりすることで、視力が低下する。
「アイフレイル」対策:今日からできること
「アイフレイル」は、適切な対策をすれば予防・改善が可能です。日常生活の中で、今日からできることを具体的に紹介しましょう。
生活習慣の見直し
- スマートフォンやパソコンの使いすぎに注意し、1時間に1回程度は目を休ませるようにしましょう。
- ブルーライトカット眼鏡やスマホの設定でブルーライトを軽減しましょう。
- 禁煙、外出時のサングラスや帽子で紫外線対策を心がけましょう。
食事
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、アントシアニン、アスタキサチンなどを積極的に摂取しましょう。
- ビタミンA:レバー、うなぎ、卵黄などに多く含まれています。
- ビタミンB群:豚肉、レバー、大豆などに多く含まれています。
- ビタミンC:ピーマン、ブロッコリー、レモンなどに多く含まれています。
- アントシアニン:ブルーベリー、ビルベリー、ナスなどに多く含まれています。
- アスタキサチン:鮭、エビ、カニなどに多く含まれています。
バランスの取れた食生活を心がけましょう。
目のケア
- 目薬は用法・用量を守って正しく使いましょう。
- 眼瞼清拭(リッドハイジーン)で目の周りの清潔を保ちましょう。
- 蒸しタオルや市販のアイマスクで温めるのも効果的です。
定期検診を受ける
40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けることを推奨しています。視力検査に加え、眼圧検査や眼底検査も受けましょう。
まとめ
「アイフレイルCM」は、私たちに「目の老化」と「健康寿命」について考えるきっかけを与えてくれました。目の健康は、私たちの生活の質(QOL)に大きく影響します。いつまでも自分の目で周りの景色を楽しみ、大切な人と笑顔で過ごすために、アイフレイル啓発公式サイトの一般の方向け「40歳以上の人のためのアイフレイルガイド」をぜひ読んで、今日からできることから始めてみましょう。
(参考)
アイフレイル啓発公式サイト(日本眼科啓発会議)https://www.eye-frail.jp/
日本眼科医会HPアイフレイル特設サイト https://www.gankaikai.or.jp/info/detail/eyefrail.html