水晶体の構造・機能

水晶体とは目の中のレンズです。このレンズは虫眼鏡と同じイメージです。水晶体の直径は13ミリ程度。1円玉くらいの大きさです。水晶体の構造は簡単にすると2像構造になっています。簡単なイメージは透明は袋と透明な中身に大別できます。水晶体にはいろいろな機能がありますが、重要な機能が2つあります。まずひとつ目が網膜に光をきれいな状態で届ける機能。2つ目が手元にピントを合わせる機能があります。

最初の機能が損なわれるのが白内障。2つ目の機能が損なわれるのが一般的に老眼と言われている状態です。

老眼とはちがうの?(なぜ手元が見えにくくなるの?)

水晶体にはピントを合わせる力があります。膨らむことで手元のものにピントを合わせ、薄くなることで遠くのものにピントを合わせる機能です。若い頃は遠くのものも目の前5センチのものも全ての物がはっきり見えたと思います。それは水晶体が非常に柔らかいから。水晶体は透明な袋と中身に分かれているとご説明しましたが、袋の中身がお水のような状態と考えてください。袋の中身がお水だと袋の形は自在に変化できます。袋の形が変わりやすいのでピントが何処にでも合いやすい状態。これが若い頃の目の状態です。

一般的には手元のものが見えにくくなるのを老眼と呼びますが、老眼とはどんな状態になっているのでしょうか。袋の中身が少し硬くなってしまうイメージ、若い頃は袋の中がお水のようと説明しましたが、老眼になると中身が少し硬くなって寒天とかゼリーになったイメージです。つまり透明な袋の中身だけが固くなるので袋の形が変わりにくくなってピントが合いにくくなる状態のことを老眼と言います。

白内障とは(白内障って言葉はよく聞くけど・・・)

では白内障になると水晶体はどうなるのでしょうか。先程の透明な水が入っている袋をそのまま、一晩冷凍庫に入れておきましょう。翌朝、冷凍庫を開けて袋を取り出します。袋の中のお水はどうなっているでしょうか。そう、カチカチに凍っていますよね?白内障になった水晶体も同じです。袋は透明なままですが、中身がかちかちになっている状態が白内障です。あと、お水が凍ると白く濁りますね。それと同じ状態が白内障。袋は透明でも中身が白く濁ってしまうから物がはっきりと見えなくなる。これが白内障の正体です。