緑内障とは

何らかの原因で眼圧が高くなり神経が冒されて萎縮し、視野が損なわれ視力が低下する病気。原因は眼圧が何らかの理由で高くなるため、自覚症状が少ないが放置しておくと失明の可能性が高い病気です。
眼圧は目の形を保持するのに必要です。眼圧が高すぎても、低すぎても、目の機能は損なわれます。

眼圧が高すぎると緑内障になりますが、低すぎると空気の抜けたソフトテニスのボールのように、ぺこぺこになって眼球が機能しません。

眼の中には房水という液体が流れております。その房水の産生と排出のバランスによって眼の硬さがある程度の圧力で保たれております。この眼の硬さを眼圧と言います。健康正常人の眼圧は10~21mmHgと言われています。ただ正常値であっても緑内障をおこす方もたくさんいらっしゃいます。日本人に多い正常眼圧緑内障といわれるものです。

緑内障の種類

大きく分けて、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分かれます。

開放隅角緑内障とは房水の排出機能を司る部位の障害によっておこり、日本人に多い正常眼圧緑内障もこの分類に含まれます。

閉塞隅角緑内障とは房水の流れが虹彩によってせき止められることによって起こります。遠視の強い方、白内障が進行した方に起こりやすいです。急性緑内障発作もこの分類に含まれます。緑内障発作は、青そこひと言われていたものです。

ちなみに白内障は白そこひと言われていました。

アイステントとは

アイステントは眼圧をつかさどる房水の流れを良くする手術です。特殊な器具を線維柱帯に挿入することで房水を排出し眼圧を下降させます。

器具は非常に小さなもので、肉眼では見えません。このような非常に小さなものを正確に目的の場所に挿入するには高度な技術が要求されます。

手術時間は白内障手術に加えて10分程度必要です。

当院で使用するのはistent inject Wというものです。

アイステントの最新型になります。

低侵襲緑内障手術MIGS iStent inject®W

アメリカの1セントコインの上に乗っているのがアイステントです。1セントコインは日本では1円玉よりも小さい程度の大きさです。

手術のイメージ

目の中の水(房水)は線維柱帯(茶色の部分)から目の外に排出されます。線維柱帯はフィルターのような構造になっています。

緑内障は線維柱帯のフィルターが目詰まりをおこしてしまい、房水が目の外に排出しにくくなり、その結果眼圧が上昇します。

アイステントは線維柱帯にバイバスを作成する非常に小さな器具です。

この器具を線維柱帯に挿入することにより、房水の流れが改善され眼圧が下降します。