緑内障と視神経乳頭陥凹拡大について

皆様こんにちは。神戸市東灘区で『多焦点眼内レンズを使った日帰り白内障手術』に力を入れている松原眼科クリニックです。

今日は検診で言われた言葉で眼科に関連するものを説明しますね。

まずは視神経〜という見慣れない言葉が健康診断の結果に書いてある場合があります。

詳しくは視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)です。

視神経乳頭陥凹拡大とは

健康診断にて「視神経乳頭陥凹拡大」が指摘されましたが、具体的にどういう状態なのか、そしてその意味するところが何なのか、不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。ここで、その状態について専門的な視点から説明します。

視神経乳頭陥凹拡大は、眼底検査で確認される視神経の一部、視神経乳頭(視神経の眼球側の終端)の中央部分が深くなっている状態を指します。この陥凹部分が通常より大きくなっていると、それは視神経の損傷の可能性を示す一つのサインであり、特に緑内障の初期症状として認識されます。

緑内障とは

緑内障は、視神経が損傷することで視野が徐々に狭くなっていく病気で、放置すると失明につながる可能性があります。しかしながら、初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的な眼科検診が極めて重要となります。視神経乳頭陥凹の拡大は、この緑内障の進行を早期に見つける手がかりとなるのです。

したがって、健康診断で視神経乳頭陥凹拡大が認められた方は、早めに眼科で詳細な再検査を受けることを強く推奨します。再検査では、眼圧の測定、視野検査、眼底の詳細な観察などを行い、必要に応じて適切な治療を行うことで、視力の低下や視野狭窄を防ぐことが可能です。

眼科での再検査が必要な理由は、このように視神経乳頭陥凹拡大が緑内障の可能性を示しているからです。早期発見、早期治療が視力を守る上で非常に重要であるということを覚えておいてください。

視神経乳頭陥凹拡大と緑内障の関係

なお、視神経乳頭陥凹拡大は緑内障の一つのサインであると説明しましたが、必ずしも緑内障を意味するわけではありません。視神経乳頭の形状は個々の人によって多少異なり、陥凹が深い人でも必ずしも緑内障になるわけではないのです。しかし、確認のために詳細な検査を行うことで、必要な対策を講じることができます。

健康な視力を保つためには、定期的な眼科検診と適切なケアが不可欠です。もし視神経乳頭陥凹拡大が認められたという指摘を受けた場合には、緑内障の可能性があるということを念頭に、適切なアクションをとっていただくことをお勧めします。

健康診断は我々の体の健康状態をチェックし、早期発見・早期治療を可能にする大切な機会です。視神経乳頭陥凹拡大の指摘があった方は、是非ともこの機会に、自身の視力の健康を守るために必要なステップを踏んでいきましょう。