こんにちは!

神戸市東灘区で『多焦点眼内レンズを使った白内障日帰り手術』に力を入れている、松原眼科クリニックの視能訓練士Kです。

今回は気球が見える検査で分かる「目の度数」についてのお話をします!

前回のブログでも少し触れましたが、気球が見える検査では「目の度数」を測定しています。

気球が見える検査の正体はこちら

人は、目の奥の網膜というところに光が届くことでキレイにものを見ることが出来ます。

ただ、人によって眼球の形や長さが違いますので目に入ってきた光がピッタリと網膜にゴールすることは滅多にありません。

その差を「目の度数」で表します。
具体的には遠視、近視、乱視といいます。

①遠視
遠くから入ってきた光が網膜より後ろに届く目のことです。
網膜より後ろに届くので、本来ならものがボケて見えます。
しかし目には「調節」という機能があり、この光を前に動かし、網膜の上に乗せることで、ものをはっきり見ることができます。
ただこの調節力は年齢によってだんだん衰えてきます。
そのため「昔は遠くも近くもよく見えたのにどちらも見えなくなってきた。」ということが起こります。
これがいわゆる「老眼」です。
また、視力が未発達の小さなお子さまで非常に遠視が強い場合、調節をしてもよく見えず、そのまま弱視(メガネやコンタクトをしても視力が出ない状態)になってしまうことがあるので要注意です。

②近視
遠くから入ってきた光が網膜より前に届く目のことです。
網膜より前に届くので遠くのものがボケて見えます。
反対に近くから入ってきた光は網膜に届くので、手元などはよく見えます。
遠視と違い、目には光を前から後ろに動かす機能はないため、遠くをキレイに見るためにはメガネやコンタクトを使うしかありません。
よく「近視の人は老眼にならない」というようなことを聞きますが、これは間違いで、「元々、近くにピントが合っているので老眼に気づきにくい」のです。

③乱視
目に入ってきた光が1ヶ所に合わない目のことです。
1ヶ所に焦点が合わないため、物が二重に見えたりします。
これは主に角膜(黒目)や目の中のレンズ、水晶体の形が歪んでいることによって起こります。
ただ、角膜や水晶体は程度の差はあっても皆さん歪みがあります。
そのため、乱視が全くない人はほとんどいないと言えるでしょう。
乱視が強い場合もメガネやコンタクトで矯正をします。
メガネやコンタクトで矯正できる乱視を「正乱視」、矯正しても視力が出ない乱視を「不正乱視」といいます。
不正乱視は白内障や、角膜が異様に歪んでしまう「円錐角膜」のような病気によって起こります。
正乱視は「目の個性」と捉えても良いですが、このような不正乱視は眼科での専門的な治療が必要になります。

私たち検査員は、これらの目の度数を元に視力を測定します。

遠視や近視、乱視があり、裸眼視力が悪くても、メガネをかけて視力が出ればあまり問題はありません。

しかし、メガネをかけても視力が出ない場合、何か病気が潜んでいる可能性があります。

眼鏡屋さんや健康診断で視力低下を指摘された方、以前より見えにくくなってきた方は眼科を受診することをおすすめします。